こんにちは、カテナリーです。
今回は相加・相乗平均についてです。
指数・対数の勉強をしていたらこんな式に躓いてしまいまして・・・
$$ 5^x + 5^{-x} = t $$
「なんか見たことはあるんだけど、どうすればいいんだっけ?」
っていう状態になってしまい解説を見てそんな法則あったなと・・・。
相加・相乗平均はこんな式でしたね。
$$ a + b ≧ 2\sqrt{ab} $$
ということで相加・相乗平均を以下4つのポイントで
見ていこうと思います。
- (相加平均)≧(相乗平均) ということ
- 等式が成立するのはa = bの時だけ
- a>0,b>0で (√a – √b)^2 ≧ 0から証明できる
- x + 1/x のような式が出たらこの法則の使用を疑う
相加平均と相乗平均って?
相加平均は算術平均とも言います。僕等が普段「平均」といった時の値を指します。
n個ある数字を全て足してnで割る。これが相加平均です。
$$ \displaystyle \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}x_i = \frac{x_1 + x_2 + \cdots + x_n}{n}$$
相乗平均はn個ある数字を全てかけてn乗根でくくったものになります。
毎年の増加率から平均の増加率を求める時に使います。
$$ \displaystyle \sqrt[n]{\prod_{i=1}^{n}x_i} = \sqrt[n]{x_1 + x_2 + \cdots + x_n}$$
相加・相乗平均の式について
いきなりですが、相加・相乗平均の式はこうです。
$$ \frac{x_1 + x_2 + \cdots + x_n}{n} ≧ \sqrt[n]{x_1 × x_2 × \cdots × x_n} (x_n > 0)$$
簡単にいうと相加平均は必ず相乗平均以上になるという意味です。
上記の式はn個の一般式を表していますが、
高校数学のレベルなら下記に示す2個の場合の式を覚えれば大丈夫です。
$$ \frac{a + b}{2} ≧ \sqrt{ab} (a>0, b>0)$$
両辺を2でかけて
$$ a + b ≧ 2\sqrt{ab} (a>0, b>0)$$
式の意味を理解するなら分数の形の方がいいですが
分数ではない形の方が計算しやすいのでこっちで覚えた方が良さそうです。
あと等号は\( a = b \)の時に成立することも覚えましょう。
証明方法
次の不等式を使って証明します。前提条件としてa>0,b>0とします。
$$ (\sqrt{a} – \sqrt{b})^2 ≧ 0 $$
上の式は明らかですね。で、これを展開すると
$$ a – 2\sqrt{ab} + b ≧ 0 $$
$$ a + b ≧ 2\sqrt{ab} $$
これで相加・相乗平均の式になりましたね!
こんなに簡単でいいんだっけ?と半信半疑になりそうですが(笑)
x + 1/x のような式が出たら疑うようにする
見出しで出すほどではない気がしますが、
先日勉強していて全く思いつかなかったので懺悔の意味も込めて。
値を求めるというよりは範囲を求める時に活用することになります。
冒頭で記した式\( 5^x + 5^{-x} = t \)を例に考えると
相加・相乗平均を使って
$$ t = 5^x + 5^{-x} ≧ 2\sqrt{5^x 5^{-x} = 2 } $$
とできるのでtの範囲は2以上とすることができます。
思い出せなかった自分もあれですが
ふとした時に出てくれるようになれるといいですね・・。
まとめ
相加・相乗平均について4点にまとめていきました。
数学検定準1級で新しく出てくる事柄ではないですが、
指数・対数の単元で足元をすくわれたので今回まとめてみました。
改めて4点を確認しましょう。
- (相加平均)≧(相乗平均) ということ
- 等式が成立するのはa = bの時だけ
- a>0,b>0で (√a – √b)^2 ≧ 0から証明できる
- x + 1/x のような式が出たらこの法則の使用を疑う
ということで今回はここまで。
コメント